便秘と健康

2017.03.07

便の色で診る、便秘と病気の判断方法

便秘などで排便がスムーズにいかなくなると、便の色に変化が見られるようになります。便の色は体内の健康状態を反映することが多々あります。そこで今回は、便秘のときの便の色から予想される特定の病気をご紹介します。

■便秘のとき、便の色から予測できる病気

通常な便の色は、黄土色~茶色です。それ以外の色の便が出たら、ちょっぴり気にしてみましょう。以下では、考えうる病気を、便の色別にご紹介します。

・便が黒い

消化器系が出血している可能性があり、胃や食道、十二指腸関係の病気が考えられます。 具体的な病名でいうと、胃潰瘍、十二指腸ガン、胃炎、胃ガン、食道ガンなどです。

・便が赤い

肛門に近い消化器官が出血している可能性があり、大腸関連の病気が考えられます。具体的な病名でいうと、大腸炎、大腸ポリープ、大腸ガンなどです。

また、出血している場所によって、赤色の濃さが変わります。肛門から遠い場所から出血している場合は、濃い赤色、または黒色の血便に変色することがあります。

なお、便そのものに血がついている状態は、痔核や裂肛などの「痔」の可能性が高くあります。

・便が白い

通常、便は胆汁によって色がつきます。便が白い場合は、胆汁が腸内に分泌されていないということであり、肝臓系の病気が考えられます。具体的な病名でいうと、肝臓、胆嚢、胆管の病気が考えられ、肝炎、肝管ガン、肝臓ガンです。

「肝臓」の病気は早期発見がとても重要になるため、白い便が出たときは早急に医療機関で受診しましょう。

なお、白い「下痢便」の場合は、ロタウイルスに感染している疑いがあります。

このように便秘のとき、便の色が、黒、赤、白色などと変化した場合は、消化器官の異常が考えられます。病気を治すには「早期発見」がとても大切です。どんなに小さな変化でも気になる場合は、医師の診断を受けましょう。

■便が茶色なら、“ひとまず”安心

正常な便の色なのに、腹痛や便秘が長期間繰り返されるときは、敏感性便秘、直腸性便秘、痙攣性便秘などの可能性があります。これらは、病気が原因ではなく、ストレスや自律神経の乱れが大きく影響していると考えられています。つまり、消化器官の問題ではないため、ひとまず安心です。腹筋を鍛えたり、食物繊維を3食しっかりと食べたり、十分な睡眠をとったりすることで解決することができます。

しかし「便が茶色だから絶対安心!」という訳ではありません。茶色の便でも病気を抱えている可能性は存分にあるため、ご自身の健常状態が気になる方は医療機関での受診をおすすめします。