便秘と健康
2017.10.20
コロコロ便は、実は重度の便秘です!放っておいちゃダメ!
「便通がないわけではないけれど、便の形状が丸くて固いコロコロ便ばかり」という人は多いのではないでしょうか。
こういった場合、「理想的な便ではないけれど、出てはいるから大丈夫」と思ってしまいがちですよね。
でも実は、このコロコロ便は、立派に便秘としてカウントされているのです。
今回は、そんなコロコロ便の原因や怖さ、改善方法をご紹介します。
■コロコロ便は重度の便秘です!
コロコロ便は、まるでうさぎのフンのような形状ゆえに医学用語では「兎糞」と呼ばれています。
そもそも、理想的な便とは70%~80%が水分でできており、やわらかく、バナナのような形状のもの。
しかし、コロコロ便の場合には水分は60%を下回り、石ころのように丸くて硬い形状です。
そのため、排便時には強くいきまなければ出なかったり痛みを伴ったりします。
また、バナナ便は1日~3日以内に食べて消化吸収されたものでできていますが、コロコロ便はなかなか排出されずに腸内に留まる性質があるため、4日以上前に食べたものでできていることも珍しくありません。
このようなことから、コロコロ便は便秘の一種だといえます。
■コロコロ便になるのはなぜ?
便が硬くコロコロした形状になるのは、便が長時間直腸に残留していることで直腸のヒダが動くたびに何度も細かくカットされるからです。
また、そのようにして細かくちぎれた便は水分を放出しやすくなり、腸壁に水分を吸収されてしまいます。
そのため、乾燥した硬い便となるのです。
つまり、コロコロ便ができる根本的な原因は、便が直腸内に長時間残留することにあるといえます。
この理由としては挙げられるのは、水分不足や油分不足・蠕動運動の低下などです。
・水分不足
身体の水分不足によって便に十分な水が含まれていないと、便は腸内をスムーズに移動できなくなってしまいます。
さらに、腸内に長時間留まることで便に含まれる水分は腸壁に吸収され、余計に硬く乾燥した状態に。
・油分不足
体内に摂取された油分は便や腸管に潤いを与え、腸管を便がスムーズに進むのを助けます。しかしダイエットなどで油分を控えすぎていると、この潤滑油の役割が果たされなくなり、便が腸管に留まってしまいます。
・腸の蠕動運動の低下
睡眠不足やストレス・ホルモンバランスの変化などによって自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れたり、運動不足になっていたり食事量が低下したりしていると、腸の蠕動運動は抑制されてしまいます。
すると、便のスムーズな排出は妨げられ、便が腸内に長時間留まるようになります。
■コロコロ便の怖さとは
コロコロ便が出るのは、腸の機能が低下している証拠です。
そのまま放置していると悪玉菌が増殖し腸内環境が悪化するため、慢性的な便秘になるばかりか、過敏性腸症候群になって便秘や下痢を繰り返したり、ニキビや肌荒れなどの原因になったりしてしまいます。
また、硬くて乾燥したコロコロ便は、排便時に痛みを伴ったり直腸や肛門を傷つけて痔を招いたりするおそれがあります。
コロコロ便が頻繁に出るという方は、「便は出ているから便秘ではない」「そのうち改善するだろう」と楽観視せずに、ぜひ改善を試みましょう。
■コロコロ便を予防・改善するには?
身体が水分不足にならないよう、1日に2リットルを目安にお水を飲みましょう。
また、油分不足にならないためにはオリーブオイルが効果的です。
1日にスプーン1杯程度のオイルを摂取してみてください。
このほか、自律神経を整えて腸の蠕動運動を促進させるためには十分に睡眠をとりストレスを溜めないことも大切です。
自分のために使う時間をつくって身体や心をリラックスさせられるように工夫してみましょう。
寝る前に好きな音楽を聴いたり、ぬるめのお風呂にゆったり浸かったりするといいですよ。
時間と体力に余裕がある方は、ウォーキングや筋トレもおすすめです。
お腹まわりや下半身の筋肉を鍛えることで蠕動運動の活性化、便秘の予防改善に繋がります。