便秘と健康

2017.11.27

中高年便秘を予防するために。腸を老けさせないために行いたい習慣3つ

中高年になると便秘を訴える人が増加します。その原因は、身体の老化に伴い、腸の活動も衰えるから。

今回は腸を老けさせないために生活習慣の中で気をつけるべき3つのポイントをご紹介します。

 

■朝の排便を逃さない

便意が起きるのは、「大蠕動(だいぜんどう)」と呼ばれる大腸の収縮運動が始まった後といわれています。

腸が目覚めて大蠕動が最も活発になるのは、朝食の約1時間後。
そのタイミングを逃さずに排便することが、いいお通じにつながります。

特に女性の場合、子育てや家事、出勤前の準備などで忙しい朝は、便意を感じてもなかなかゆっくりとトイレに座ることができなかったりしますよね。
また、外出先でも「恥ずかしい」「トイレが混んでいる」などの理由で我慢してしまうことも多いと思います。

そうするといつの間にか便意を感じにくくなり、気付けば「もう何日も出ていない……」ということになってしまうのです。

大蠕動の活動に合わせて自然な排便を習慣づけるために、朝はトレイに座ることを日課にしましょう。
それと同時に、何かを食べることが大腸の動きを活発にさせる“スイッチ”にもなるので、忙しくても朝食をとることを心がけましょう。

 

 ■「何も食べない8時間」を毎日作る 

「何かを食べることが大腸の動きを活発にさせる“スイッチ”にもなる」と書きましたが、いつも何かを食べていれば常に腸が活発に動き、お通じが良くなるというものでもありません。

人は口から入れた食べたものを胃で消化し、小腸で栄養を吸収して、残ったものを大腸へと送り出しますが、小腸の蠕動運動は、食べ物を口に入れてから約8時間後に活発になるといわれています。

もし8時間経たないうちにまた食べ物を口にしてしまうと、この時間はリセットされてしまい、再度8時間をカウントし始めるというわけです。

小腸の蠕動運動を正しく行うためには、1日の中で8時間程度何も食べない時間を作ることが大切なのです。

その人のライフスタイルに合わせて無理なく8時間空けられる適切なタイミングがあると思いますが、最も時間を作りやすいのは、やはり夜寝ているとき。
朝食を食べる時間から逆算して、夜遅い時間の食事は控えるようにしましょう。

また、昼食の後に間食をしなければ、夕食まで8時間空けることもできるでしょう。

 

 ■入浴で血流アップ&自律神経を整えよう

腸の動きと自律神経の動きは深く関係していて、副交感神経が優位になっているとき、つまり、リラックスしているときに腸の動きは活発になります。

副交感神経を優位に働かせるのに効果的なのが入浴です。
夜寝る前に入浴することで、就寝後に副交感神経が優位になり、翌朝のお通じがスムーズになります。

また、シャワーで済ませるのではなく、湯船にしっかりと浸かると温熱作用で血流が良くなり、腸の動きも活発になります。

なかでも最も効果的な入浴方法が、ぬるめのお湯で半身浴をすること。
38℃~40℃くらいの温度のお湯に、腰の上あたりまで浸かり、じんわりと汗をかくまでゆっくりと入りましょう。

あまり無理をせず、心臓がドキドキしたり、のぼせたり、頭痛がするほど、頑張りすぎないように注意してください。

熱いお湯に入るのが好きという中高年の方もいますが、熱いお湯は交感神経を活発化させてしまうため、便秘の症状がかえって悪化してしまう可能性があります。
程よい温度のお湯でゆっくりと入浴することが重要です。

 

朝トイレに座る時間を作ること、何も食べない8時間を作ること、そして、寝る前にお風呂に入ること。

この3つを実践することは、自然と規則正しい生活を送るということにつながります。それは、腸の老化を防ぐだけでなく、身体全体の健康に良いことといえるでしょう。