便秘と健康

2018.02.21

放っておくと危険!便秘が招く合併症について

「何日も便が出ていないけど、まぁそのうち治るでしょ」と、便秘を放置していませんか?
もしかするとそれ、命の危険を招いてしまうかもしれません。
便秘をそのままにしておくと、さまざまな病気症を招く場合があるのです。

中には、手術が必要になる重症なケースも……。

そこで今回は、便秘によって引き起こされるさまざまな病気についてご紹介します。

 

■命の危険も?便秘を放っておくと……

便秘に悩んでいるのは、男性よりも女性の方が多いといわれています。
厚生労働省によると、女性の約20人に1人は便秘症という調査結果が出ているほど。

女性の中には腹痛やお腹の張りを感じたり、「何日も出ていない……」などの症状に悩まされたりしながらも、家事や育児、仕事に追われて便秘を放置したままにしている方もいるかもしれません。

しかし、便秘を放ったままにしておくのは決して良いことではありません。
便は、体の外へ排出されるべき「老廃物」です。
体に不必要になった老廃物を体の中に留めておく状況が良いわけありませんよね。

 

便秘を長期に渡って放置していると、徐々に体に悪影響を及ぼすようになってしまいます。

たとえば、痔です。
便秘になると、排便時には水分量の少ない硬い便を排出することになります。
すると肛門に負担がかかるようになり、皮膚や粘膜が裂けてしまって痔を発症してしまいます。

また、便秘による腸内環境の悪化は、肌荒れや口臭も招きます。
「しっかりスキンケアをしているのに肌荒れがなかなか治らない」「オーラルケアをしているのに口臭が気になる」という場合は、もしかすると便秘が原因なのかもしれません。

他にも、便秘は血行不良を招くため、肩こりや腰痛、冷え性などの原因にもなります。

また、便秘が招く合併症の中でも危険なのが、腸閉塞です。
主な症状は、腹部膨満や腹痛、腰痛や食欲不振、吐き気や嘔吐など。
これらの症状が見られた場合は、直ちに医師に診てもらいましょう。

腸閉塞にまでなってしまうと、便秘薬などで排便を促すのは難しく、手術が必要になる場合がほとんどです。

便秘による腸閉塞では死亡例も出ているため、注意しなくてはなりません。

 

■放置せずに解消させることが大切

さまざまな合併症を招く便秘は、放置せずに解消することが大切です。
排便を促すには、まずは食生活を見直しましょう。


そもそもダイエットをしている方や、少食で食事量が少ない方は特に要注意です。
食事量が少なければ便になる材料が少ないため、便秘になりやすいといえます。

便の材料になる食物繊維や適度な脂質、または便を出しやすくする水分などを積極的に摂取し、排便を促しましょ
水分を摂る際は、冷たい飲物よりもホットや常温のものの方が腸を冷やさなくて良いですよ。

なお、食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類をバランス良く摂ることが大切です。
不溶性食物繊維を含む食材は、野菜や穀物類などボソボソ・シャキシャキした食感が特徴です。
水溶性食物繊維を含む食材は、昆布やワカメなどの海藻類やこんにゃく、里芋などネバネバ・サラサラした食感が特徴です。

また、腸内環境を整える発酵食品なども積極的に摂取しましょう。
ヨーグルトやキムチ、納豆などがおすすめです。

他にも、排便を促すには適度な運動も必要です。
適度な運動をすることによって腸が優しく刺激され、排便を促します。

なお、排便を促すぜん動運動には腹筋が不可欠なため、適度に腹筋を付けておくことも大切です。

運動といっても、激しい運動をする必要ありません。
簡単な腹筋運動やストレッチ、ウォーキングなどでも十分でしょう。