便秘解消・予防

2017.10.06

50代~60代の女性に多い更年期便秘。予防と対策方法

50~60代の更年期にあたる女性は、便秘になりやすいといわれています。今回は、その理由と更年期の便秘を予防・改善するための対策方法についてご紹介します。

 

■更年期に便秘になりやすいのはなぜ?

20代~30代でも便秘に悩む女性はたくさんいますが、更年期にさしかかってから便秘を訴える女性はさらに増えるといわれています。その理由としては、以下にご紹介する3つが考えられます。

 

・ホルモンバランスの変化に伴う自律神経の乱れ

40代後半から50代になると、女性の身体のホルモンバランスは急激に変化し、エストロゲンの分泌量が減少してプロゲステロンの分泌量が増加します。このことが、この年代に便秘の方が多くなる理由のひとつです。

ホルモンバランスの急激な変化は、自律神経の乱れをもたらします。その結果、自律神経によって制御されている腸の蠕動運動がうまく機能しなくなり、腸内環境の悪化や便秘を招いてしまうのです。

 

・年齢による腸内環境の悪化

女性に限ったことではありませんが、年齢を重ねるとともに腸内では悪玉菌の活動が活発になり善玉菌が減少しやすくなります。これも、更年期になると便秘を訴える人が増える原因のひとつです。また、加齢とともに筋力が衰えることによって排便時に“いきむ”力が低下しやすくなり排便がスムーズに行えなくなることも、加齢便秘が引き起こされる要因だと考えられます。

 

・子どもの進学などの家庭環境や職場環境の変化によるストレス

更年期という年代は、家庭環境や生活に変化が生じやすい時期だといえます。例えばお子さんがいらっしゃる方の場合、お子さんが進学や結婚で家を出たり、両親や義両親との同居が始まったりといった出来事が考えられます。仕事をされている方は、職場での立場か変わったり責任ある業務を任されたりといったことが増えるかもしれません。

このような家庭環境や生活の変化によって精神的なストレスが大きくなると、自律神経の乱れが生じやすくなります。そしてその結果、腸内環境が乱れて便秘を誘発する恐れがあります。

 

このように、更年期という年代は便秘の原因となりうるトラブルが重なりやすくなる時期なのです。

 

■更年期便秘を予防・改善するためには?

更年期便秘の予防と改善の鍵となるのは、乱れやすい自律神経を整えてあげること、そして、衰えやすい腸の蠕動運動機能をサポートしてあげることです。

 

・リラックスして自律神経を調整する

自律神経の乱れを整えるためには、高ぶりやすい交感神経を抑えて、副交感神経を優位にさせることが重要です。そのために必要なのは、心身ともにリラックス状態をつくるということ。例えば、マッサージをされて「きもちいい~」と感じているようなときというのは、身体も心もリラックスしており、副交感神経が活発化しています。このような状態を毎日のなかで意識的につくるようにしてみましょう。お気に入りの入浴剤を入れてゆったりお風呂に浸かったり、就寝前にマッサージやヨガをしたりするのがおすすめです。

 

・ストレッチで腸の蠕動運動を刺激する

停滞しがちな腸の蠕動運動を活性化させるためには、腹部に負荷を加えるストレッチを行うのが効果的ですやり方はとっても簡単。椅子に座ったまま腰を左右にひねるだけでOKです。骨盤を動かさないように意識し、腸に刺激を与えるイメージで腰をグッとひねりましょう。

 

このほか、腸内で善玉菌の餌となる食物繊維の多い食材(きのこ類や海藻類など)や、腸内フローラバランスを整える乳酸菌やビフィズス菌を含む食材(ヨーグルトやキムチなどの発酵食品)を意識的に摂取して腸内環境を整えるサポートをしてあげることも大切です。

 

毎日の習慣やケアしだいで予防・改善が可能な更年期の便秘。ぜひ便秘対策をしてスッキリ快調な毎日を過ごしましょう。