便秘解消・予防

2017.10.20

来る“加齢便秘”に備えるために。40代から始める便秘対策

60歳を過ぎたあたりから、便秘の症状に悩まされる人は多くなります。
これは、加齢に伴って腸内環境が悪化したり大腸の蠕動運動が低下したり便を体外に押し出す力が弱まったりするため。

加齢便秘は誰にでもありうることですが、健やかな毎日のためには今から予防策を講じたいものです。

今回は、60歳以降の深刻な便秘を防ぐために40代からしておきたい便秘対策について紹介します。

 

■40代からの便秘対策①お腹まわりの筋力を鍛えよう

排便時にいきむ力が低下するのは、加齢便秘の原因のひとつです。

いきむとは、お腹に力を入れて腹圧をかけることで大腸から肛門に向かって便を排出すること。

便意をもよおしてトイレに行ったのに「便意はあるのに出ない」「お腹は張っているのにすっきり出せない」ということになるのは、いきむ力が低下しているからかもしれません。

こうなってしまう原因として考えられるのは、お腹まわり・特にお腹の中央に縦方向に発達している腹直筋の筋力の低下です。

 

そこで、行いたいのが腹直筋を鍛えるトレーニング
とはいっても本格的なツライ筋トレをする必要はありません。
ここでは運動が苦手な人や筋力に自信のない女性でもできる方法をご紹介します。

 

◎簡単にできる腹直筋トレーニング

①あお向けに横になって両膝を少し曲げ、両手の手のひらをお腹の上に置く

②その体勢のまま、頭と背中を浮かせておへそが見える位置まで上体を起こす

③おへそが見えたらそのまま10秒キープ

④ゆっくり①の状態に戻る

 

これを5回行います。できれば毎日朝晩2度行ってみてください。
このトレーニングは従来の腹筋とくらべて腰への負担も少なくて済みますので、腰痛が気になる中高年の方にはぜひおすすめです。

 

■40代からの便秘対策②食事内容を改善しよう

年齢を重ねるにつれて、腸内では悪玉菌の活動が優勢になり善玉菌が減少しやすくなります。
このことも慢性的な便秘や深刻な便秘を引き起こす原因のひとつです。
そこで、善玉菌を増やすための食事習慣を意識してみましょう。

具体的には、腸内で善玉菌の餌となり増殖を助ける食物繊維が豊富な食材、乳酸菌を多く含む発酵食品や乳製品を食べるのがおすすめです。

 

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられ、前者には腸の動きを活発にして有害物質を体外へ排出する役割が、後者には水分を吸収して便の量を増やし便意をもよおしやすくさせる役割があります。

水溶性食物繊維が多く含まれるのは海藻やきのこ類、果物や野菜など。
不溶性食物繊維が多く含まれるのはゴボウやカボチャ、イモといった根菜類や豆類、穀類です。
いつもの食事メニューに副菜としてプラス1品、例えばきのこのマリネや根菜のホットサラダ、海藻の酢の物などを加えてみましょう。

乳酸菌を多く含む食品としては、ヨーグルトやキムチといった乳製品、納豆、漬物、味噌などの発酵食品があげられます。
毎朝ヨーグルトを食べたり、キムチや漬物・納豆を副菜として取り入れたりしてみましょう。
このほか、乳酸菌飲料も手軽に取り入れられて便利です。

ただし、ヨーグルトや乳酸菌飲料の糖分、チーズの動物性タンパク質、キムチや漬物・味噌の塩分には気をつけて。

適量を毎日継続して食べるようにしてください。

 

一方、腸内環境のことを考えるとあまり食べすぎないようにしたいのがお肉です。
お肉を食べすぎると、悪玉菌が増えるといわれています。
なかでも気をつけたいのが赤身のお肉。
赤身のお肉は悪玉菌の増殖と腐敗を促し、便秘だけでなくおならの悪臭の原因をつくるともいわれています。
もちろん、「お肉は食べちゃダメ」ということでは決してありません。
お肉が食卓にのぼるときは、上記に列挙した食物繊維や乳酸菌を多く含む食材と一緒に食べるようにするといいでしょう。
例えば焼き肉のときは野菜でお肉を巻く、ハンバーグのときは付け合わせに野菜をたっぷり添えるなどの工夫を。

このほか、脂っこいお菓子やスナックなども悪玉菌を増やす原因となります。
くれぐれも食べすぎには気をつけましょう。