便秘解消・予防
2017.12.27
【子どもの便秘】腸の形が原因?便秘になりやすい腸の形とは?改善策は?
子どもの便秘の原因はさまざまですが、中には生まれもった腸の形が関係している場合があります。
では、どんな腸だと便秘になりやすいのでしょうか?
改善策はないのでしょうか?今回は、腸の形に起因する便秘について詳しく解説します。
■腸の形が原因の便秘とは?
一般的に、便秘は以下の4つに分類されます。
・直腸性便秘…便が直腸に到達しても便意が伝わらないために生じる便秘
・弛緩性便秘…大腸の蠕動運動の低下により便を押し出す力が弱まることで生じる便秘
・けいれん性便秘…精神的なストレスにより腸の蠕動運動が過敏になることで生じる便秘
・食事性便秘…食物繊維不足や水分不足によって生じる便秘。
しかし、子どもの便秘の場合、上記には当てはまらないことがあります。
そういった場合に考えられるのが体質的な要因、つまり「腸の形に起因する便秘」です。
■「便秘になりやすい腸の形」って?
本来、腸管は「上行結腸」と「下行結腸」が後腹膜に埋めこまれるように固定されています。
しかし、人によっては、腸が本来あるべき位置にあるべき形で固定されていないことがあるのです。
そして、それが原因で便の排出がスムーズにいかなくなり、便秘を招きます。
特に便秘になりやすいのは、「ねじれ腸」や「落下腸」と呼ばれる腸の形をしている人です。
ねじれ腸とは、腸の一部がねじれている状態。
ねじれた箇所は便が通りにくく、栓のように詰まってしまいます。
特に、下行結腸やS状結腸にねじれがあると、深刻な便秘を招くといわれています。
一方の落下腸とは、大腸全体が下方向に垂れ、骨盤の内側まで下がっている状態のこと。
本来あるべき位置より垂れ下がることによって腸管が複雑に折れ曲がってしまうため、便がスムーズに移動できずに便秘を誘発しやすくなります。
■子どもだけではなく大人にも!ねじれ腸・落下腸は日本人に多い!
ねじれ腸や落下腸は、日本人に多いといわれています。
ですから、子どもだけでなく大人の方で「食事に気をつけたり生活習慣に気を配ったりしているのに便秘が改善しない」という場合、ねじれ腸や落下腸の可能性が考えられます。
思い当たる節がある方は、以下の項目をチェックしてみてください。
・子どもの頃から便秘である
・食物繊維や乳酸菌など、便秘に良いとされる食品をとってもあまり効果が見られない
・運動をしてもあまり効果が見られない
・腹痛をともなう便秘になることがある
・便秘の後に、下痢や軟便が出ることがある
・立ったときにおへそから下がポコンと出る
これらの項目に2つ以上当てはまった場合、ねじれ腸や落下腸の疑いがあります。
なお、ご自身やお子さんの腸の形をきちんと確認したいという方は、病院に相談してみてください。
病院によってはレントゲン検査で腸の状態を見てくれるところもあります。
■ねじれ腸、落下腸……便秘改善の方法は?
ねじれ腸や落下腸が原因で便秘になっている場合、食事改善だけでは効果はあまり期待できません。そこでおすすめなのが、「腸ゆらしマッサージ」です。
体の外側からの刺激で腸を揺らすことで、ねじれた腸にひっかかった便を落とし、排出しやすくさせます。
―腸ゆらしマッサージその1―
①膝を立てて床に横たわり、腰の下にクッションを入れて腰を10cmほど高くする
②両手の指を伸ばして恥骨のあたりに置く
③腸を上に押し上げるようなイメージで、親指以外の4本の指をおへその方に向かって動かす
―腸ゆらしマッサージその2―
- 両足を肩幅に広げて立つ
- 肩の高さで腕組みし、そのまま左右交互に上体をひねる
※おしりの位置が動かないように注意し、できるだけ大きく身体をひねるようにします
このマッサージを朝食前と就寝前の1日2回、それぞれ1分間ずつ行います。
簡単なマッサージなのでお子さんだけでもできるかもしれませんが、最初のうちは親御さんが一緒にやってあげるといいでしょう。
毎日の習慣にすれば、便秘の予防・改善が期待できます。