便秘と健康
2017.12.27
「いいウンチ」ってどんな?病気が潜む「危険なウンチ」の特徴は?
腸内環境の良し悪しは、健康状態に大きな影響を与えます。
腸内環境が整っていないと、便秘を招くのはもちろん、免疫力が低下して風邪をひきやすくなったり、大腸がんなどの重大な疾患を引き起こしたりすることさえあります。
ですから、自分自身の腸内環境の状態を知っておくことはとても大切。
そしてその際にバロメーター的存在となるのが、ウンチです。
ウンチを見れば、「いいウンチが出ているから腸内環境も整っている」などと推測したり、腸内環境の悪化や体の不調を察したりすることも可能です。
ですが、そもそも“いいウンチ”とはどんな状態なのか、“危険なウンチ”とはどんな状態なのか、ちゃんと知らない人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、“いいウンチ”と“危険なウンチ”について、詳しく解説します。
■「いいウンチ」「悪いウンチ」ってどんなウンチ?
みなさんもご存知の通り、ウンチは毎回同じ形・量・硬さ・臭いではありません。
ウンチには、主に以下のような状態があります。
・コロコロ便(兎糞)
形:まるで石ころのように小さくコロコロと硬い
色:黒褐色
水分量:50%程度
臭い:ツンとしたきつい臭い
排便のしやすさ:かなりのいきみが必要。痛みを伴うことも
腸内の状態:悪玉菌が優勢、便秘を併発気味
残便感:強い
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・カチカチ、ひび割れバナナ便
形:ひび割れてはいるが、バナナ型
色:濃い茶色
水分量:60%~70%程度
臭い:きつくはないが悪臭
排便のしやすさ:少しいきめば出るが、硬さがあるため無理に出そうとすると痛みを伴うことも、
腸内の状態:やや悪玉菌が優勢
残便感:ややあり
・バナナ便
形:バナナ型、表面はなめらか
色:茶色
水分量:80%程度
臭い:刺激のない発酵性の臭い(漬物のような臭い)
排便のしやすさ:するんと出る
腸内の状態:理想的
残便感:なし
・半練り状便
形:バナナがちぎれたような形
色:黄色~薄い茶色
水分量:85%程度
臭い:強い
排便のしやすさ:水分が多いため、するんとは出ない
腸内の状態:悪玉菌が優勢
残便感:あり
・泥状、水便(いわゆる下痢)
形:ほぼなし
色:黄色~黒褐色、濃淡がある
水分量:90%以上
臭い:非常にきつい
排便のしやすさ:水状のため、いきみは必要ないが、突発的に便意が来ることも
腸内の状態:悪玉菌が優勢で荒れている
残便感:強い
・ミックス(下痢と便秘が交互に来る状態)
形:さまざま
色:前半は濃い黒褐色、後半は淡い黄色
水分量:60~90%程度
臭い:非常にきつい
排便のしやすさ:突発的に便意が来る
腸内の状態:悪玉菌が優勢で荒れている
残便感:強い
このように、さまざまなウンチがあります。
この中で最も良いのは、ナンバー③のバナナ便。ナンバーが小さくなればなるほど、大きくなればなるほど、腸内環境が乱れているといえます。
■病気が潜んでいることも!「危険なウンチ」とは?
実は、ウンチの状態によっては、重大な病気が隠れている危険性が伺えます。
・赤い便(血便)
…大腸に出血がある可能性あり。大腸がんや潰瘍性胃腸炎・臓器内出血などのおそれも。
・真っ黒な便
…大腸がんのおそれあり。食道・胃・十二指腸などからの出血がある疑いも。
・灰色~白い便
…胆汁の分泌が低下しているおそれあり。胆石や肝臓疾患も疑われる。
もちろん、これらはあくまでも“可能性”です。
このような便が出たら即病気というわけではありませんが、このようなウンチが出ている場合には、一度お医者さんに相談してみたほうがいいかもしれません。
■自分の便を毎回きちんとチェックし、記録しましょう
みなさんは、トイレでウンチをしたときに、ウンチの色や形、臭いなどをチェックしているでしょうか?
ウンチは健康状態を知るためのバロメーター的存在ですから、毎回きちんと観察することが大切です。
そしてもうひとつ重要なのが、排便状態を1日単位ではなく、1週間・1カ月といった大きなスパンで把握すること。
例えば、1日だけ水便が出たとしても、次の日に改善していればさほど問題はありません。
また、1日ウンチが出なかったというだけでは便秘ではありませんが、3日間ウンチがなければ、それは改善すべき便秘症です。
ですが、毎日のウンチの状態ってなかなか覚えていられないもの。
「昨日のウンチってどんな感じだったっけ?」と思い出すのは、難しいのではないでしょうか。
そこで、排便の日にちと時間、排便までにかかった時間、便の色、量、形、臭いなどの記録をつけることをおすすめします。
毎回記録をつけていれば長期的なスパンで腸内環境を知ることができますから、問題がある場合には改善策を考えやすくなります。
ウンチの状態を記録するスマホアプリなどもありますから、そういったものを利用してもいいでしょう。