便秘と健康

2017.10.20

【子どもの便秘】直腸性?ストレス性?便秘の原因とタイプについて

親御さんとしては気になる子どもの便秘。

子どもの便秘は直腸性とストレス性の2タイプに分けられ、それぞれ症状の特徴や原因が異なります。

まずは便秘の種類を知り、適切な対応をしましょう。

 

■ほとんどの子どもは直腸性便秘?原因・予防・改善方法!

子どもの便秘のほとんどは、直腸性便秘と呼ばれるタイプです。

これは、簡単にいうと便を押し出す力が弱い・足りないことによって引き起こされる便秘です。

特に小さな子どもの場合、直腸や肛門がまだ十分に発達していません。
そのため、腸内に便が溜まっていても脳にその情報をスムーズに送ることができず、便意がもよおされないことがあります。

さらに、便を押し出すために必要なお腹やお尻まわりの筋肉もまだまだ未熟です。そのため、便は排出できる状態なのに上手にいきむことができず、便秘になってしまうことがあります。

 

「排便時に肛門に痛みを感じる」

「排便時に血がつく」

「排便が週に2回未満しかない」

「排便をしてもすっきり感がない」

「排便を我慢してしまう」

 

といった項目を子どもが主張する場合、直腸性便秘の可能性があります。

 

こういった子どもの直腸性便秘を予防・改善するためには、食物繊維をしっかり摂ることが大切です。

食物繊維には、腸内で水分を吸収して便の量を増やして柔らかくする働きがあります。
きのこや海藻類、根菜類、野菜類など、食物繊維を多く含む食材を料理に加えてみてください。

また、排便をスムーズにする手助けをする食材としてはオリーブオイルもおすすめです。
オリーブオイルには腸内の壁や便に潤いを与えて滑りやすくし、排出しやすいようにする働きがあるといわれています。

 

なお、大人の直腸性便秘の場合には、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えるために乳酸菌を含むヨーグルトやチーズといった乳製品や漬物や納豆などといった発酵食品を摂取することがすすめられますが、子どもの直腸性便秘の場合、乳酸菌を摂取するのはさほど効果的とはいえません。
というのも、そもそも子どもの直腸性便秘は腸内環境の悪化が原因ではないから。

また、子どもの腸内には大人よりもはるかにたくさんの善玉菌が生息しているため、わざわざ外部から乳酸菌を摂取する必要はあまりないといわれています。

 

■子ども特有のストレス性便秘とは?原因・予防・改善方法!

子どもの便秘には、精神的なストレスに起因するものもあります。

精神的ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れるため、腸の動きが抑制されてしまうのです。
特に、身体と心がリラックスしている状態に優位になる副交感神経が正常に働いていない場合(つまり身体や心の緊張状態が続き、交感神経が常に優位になっている場合)、「便を体外に排出しなさい」という脳からの司令がうまく伝わらなくなり、便秘気味になります。

 

「睡眠時間が短い」

「便秘だけでなく下痢にもなりやすい」

「おしっこも含めて1日に6回以下しかトイレに行かない」

「悩みを抱えている」

「精神的に打たれ弱い」

 

このような症状がお子さまに見られる場合、ストレス性便秘の可能性が考えられます。

ストレス性便秘の予防・改善方法としては、根本にあるストレスを解消することが必要です。

簡単なことではありませんが、ふだんからお子さんの話をよく聞き、なんでも相談できる環境をつくってあげましょう。

 

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■要注意!危険な便秘もあるの?

ここまでで取り上げた直腸性便秘やストレス性便秘の特徴に当てはまっていても、「3日排便がない」「吐き気がある」「激しい腹痛があるが、排便できない」「吐き気がある」「便に血が混ざっている」「顔色が悪い」などという場合には、便秘の背後に重大な病気が隠れている恐れがあります。

早めに病院に連れて行って診察してもらうようにしてください。