便秘解消・予防

2017.10.20

お腹が痛いのに便意がこないってどういうこと!? 直腸性便秘の原因は?改善策は?

みなさんは、「突然お腹が猛烈に痛くなってトイレに駆け込んだのに、便意がこない・排便がない」といった経験をしたことはありませんか?

突発的な腹痛はそのうちに引いていきますが、お腹が張ったりその後も繰り返し腹痛に襲われたりしてとってもイヤですよね。

実はこういった症状が表れる場合、直腸性便秘の疑いが考えられます。

今回は大人に多い直腸性便秘の特徴や原因、対策をご紹介します。

 

■直腸性便秘の特徴とは?

直腸性便秘とは、便が直腸まで運ばれているのに肛門から体外に押し出すことができず、便が直腸や肛門付近で留まっている状態のことを指します。

この特徴として顕著なのは、「便意を感じにくい」ということです。
通常、便が直腸に運ばれると、直腸の神経から脳に「排便できますよ」という情報が伝えられます。
そして次に脳から直腸に「排便してください」という指令が出され、便意をもよおします。

しかし、直腸性便秘の場合、直腸に何らかの問題があり脳への伝達がスムーズにできません。
そのため、便は直腸まで下りてきているのに、便意がないので出すことができないということになってしまうのです。

また、そうして便が長時間直腸に留まることによって、便の水分は失われて乾燥し、硬く太くなっていきます。
硬くて太い便は非常に排出しづらいため、余計に便秘を悪化させてしまうという悪循環に。

 

■直腸性便秘の原因は?

直腸性便秘の原因としては、以下のような項目が考えられます。

 

・便意を我慢してしまうことが多い

「仕事中なかなか自分のタイミングでトイレに行けない」というように、便意を感じても我慢することが習慣化してしまっている人は直腸性便秘にかかりやすくなります。

前述したように、人間の身体は直腸に便が溜まると排便の司令が脳から出て便意を感じるようになっていますが、頻繁に便意を無視していると、だんだん脳からの「排便してください」という司令が伝わりにくくなり、便意をもよおしにくくなります。

そのため、便が直腸に下りてきてお腹が痛くなっても便意は感じないという事態になってしまうのです。

 

・痔を患っている

痔を患っていると排便時に強い痛みを感じるため、排便が億劫になってついついトイレに行くのを我慢してしまいがちです。この習慣が直腸性便秘を招く恐れがあります。

 

・いきむときに肛門に強く力を入れてしまう

通常、するっと便が出るときには肛門周辺の筋肉は緩むものです。しかし、自然に排便するのではなく出にくい便を意識的に出そうといきむときには、肛門周辺の筋肉には力が入ります。しかし、いきめばいきむほど肛門は締まり、余計に便は出にくくなってしまうのです。これも直腸性便秘の原因のひとつです。

 

・老化

老化によって便意をもよおす神経伝達の働きが鈍くなると、直腸性便秘になりやすいといわれています。

 

■直腸性便秘を改善するためにはどうしたらいい?

直腸性便秘を解消し、スッキリと排便をするためには、食生活の見直しや生活習慣の見直しなどが必要です。
以下の項目に気をつけてみましょう。

 

・規則正しい生活で、排便のリズムを作る

毎日できるだけ同じ時間に食事を摂ることで、排便のリズムが作れるようになり、便意に反応しやすくなります。

 

・温水洗浄便座を使う

温水洗浄便座を使って肛門に刺激を与えると、便意が促され、肛門付近で詰まっている便を排出しやすくなります。ただし、水圧や使用時間には注意を。やりすぎるとかえって肛門を傷つけたり皮膚炎を招いたりすることもあります。

 

・食物繊維や乳酸菌などを摂る

便を排出しやすい状態に整えることも大切です。そのためには、水分を吸収して便を増やして柔らかくする食物繊維や、善玉菌を増やして腸の活動を活性化させる乳酸菌などを摂取するようにしましょう。