便秘解消・予防

2017.10.06

わかりやすい!腸内フローラと便秘解消の関係を徹底解説【前編】

腸内環境を整え便秘を改善するために重要なのが、腸内フローラのバランス整えること。今回は、腸内フローラとは何か、腸内フローラの理想的なバランス、腸内フローラが崩れると起こりうる症状などをご紹介します。

 

■腸内フローラとは?

人の小腸から大腸には、約100種類以上・100兆個以上の腸内細菌が生息しており、それらは種類ごとまとまって腸壁に住み着いています。その様子を顕微鏡で見ると、まるでさまざまな花が群生している花畑のよう。それゆえ、腸内に腸内細菌が住み着いている状態のことを「腸内フローラ」と呼びます。

腸内フローラは、主に善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類の菌から構成されています。

 

◎善玉菌

善玉菌とは、簡単にいうと身体にとって良い働きをしてくれる腸内細菌のこと。腸内で悪玉菌が増えるのを防いだり、腸のぜん動運動を活発にさせて有害物質を体外に排出する助けをしたりしています。代表的なものは、乳酸菌と総称されるビフィズス菌やアシドフィルス菌・フェーカリス菌など。

 

◎悪玉菌

悪玉菌とは、善玉菌とは反対に身体にとって悪い働きをする腸内細菌のこと。腸内でタンパク質を分解して有害物質を発生させながら増殖します。腸内で悪玉菌が増えると、深刻な便秘や慢性的な便秘・下痢になりやすくなってしまいます。代表的なものは、病原性大腸菌や黄色ブドウ球菌・ウェルシュ菌・ベーヨネラなど。

 

◎日和菌

日和菌は、それ自体では身体にとって良い働きも悪い働きもしない腸内細菌です。しかし、日和菌には、腸内で数が多い方に同調するという性質があります。そのため、腸内で善玉菌が優勢であれば害は与えませんが、悪玉菌が優勢になると悪玉菌の活動のほうに加勢してしまうのです。代表的なものは、大腸菌やバクテロイデスなど。

 

■腸内フローラの理想的なバランスとは?

腸内環境を良好にするためには、腸内フローラバランスが善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7の割合で保たれているのが理想的だといわれています。

しかし、腸内フローラのバランスはとても繊細。いわば、腸内で善玉菌と悪玉菌・日和菌が常に熾烈な生存競争を繰り広げ、陣取り合戦をしているような状態です。

ですから、さまざまな要因で簡単にそのバランスは崩れてしまいます。その要因として挙げられるのが、偏った食事や加齢・睡眠不足・ストレス・運動不足・服薬などです。なかでも偏った食事と加齢は悪玉菌を増殖させ、腸内フローラバランスに大きな影響を与えると考えられています。

 

◎偏った食事

お肉のような高タンパク・高脂質の食ベ物を食べ過ぎると、悪玉菌が優勢になりやすいといわれています。こういった食品が体内に入ると、通常は小腸で吸収されるアミノ酸や胆汁酸が小腸では吸収されずに大腸まで流れ込みます。すると、これらの成分を悪玉菌が餌として増殖してしまうのです。

 

◎加齢

年齢とともに腸内フローラは変化するといわれています。生まれたばかりの赤ちゃんの腸内フローラは善玉菌が優勢な状態ですが、年齢を重ねるとともに悪玉菌が優勢になる要因が増えていきます。そのため、腸内フローラバランスは崩れやすくなるのです。また、老年期になると、善玉菌であるビフィズス菌が減少しやすくなります。

 

■腸内フローラのバランスが崩れるとどうなるの?

上記のような要因によって腸内フローラのバランスが崩れると腸内環境が悪化し、便秘や下痢、肌荒れや肩こりなどのトラブルを引き起こすといわれています。特に、悪玉菌が優勢になると、深刻な便秘や慢性的な便秘を招いてしまいます。これらの症状に思い当たる節がある方は、腸内フローラのバランスが適切でなくなっているのかもしれません。

 

本記事の後編では、腸内フローラバランスを整えるための具体的な対策をご紹介していきます。便秘をはじめとする身体の不調が気になる方は、ぜひそちらもあわせて読んでみてくださいね。